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【22世紀へ!園部研】
物流への取り組みはバラバラ  
 公衆自動搬送システムCATSのご紹介


(4) 物流 ──  1980年代末,都市計画の検討 [6] の中,大深度地下利用を含む物流システムが10以上構想された [7].現在研究中の3種は,相互接続可能:
地区内端末物流(建設省建築研究所,12社の地域内物資集配送システム研究会)──6社の都市環境問題研究会が提案した ロジスティクスLAN [7] が基礎.4街区前後の商業地域の地下にリニアチューブなどの自動搬送ネットワークを敷設.トラック用の地下ターミナル,各ビル地下の集配デポ(deposit),各フロアを結び,電子鍵付きロールボックスで共同集配送を行う [8,9,10]

都市内新物流システム(建設省土木研究所,新物流システム官民共同研究)──幹線道路地下を2t電気トラック(DMT,Dual Mode Truck)が無人走行 [11]

都市間新物流システム(同)──高速道路地下または中央帯をDMTが100km/Hで無人走行(第二東名神で計画) [11]
ほかに,通産省系の新都市廃棄物輸送システムや,70km/Hのリニア自動列車で10郵便局間を結ぶ地下環状線 東京L-NET 構想 [12] などがある.ロンドンの無人の郵便地下鉄(1927年〜)は有名であるが,外国は都市集中が軽いせいか物流自動化構想は目立たない.
 「この調子で物流が増加すると都市の交通渋滞,公害,人手不足で行き詰まる」という危機感から出発した上記現行プロジェクトは「まず個別運輸業ありき」である.主役は電気トラックで,自動搬送システムはエリアごとに閉じていて標準がない.

 しかし一方,運輸業者は内部で,荷物追跡,配送最適化など情報化してきた.消費者,生産者,流通業者にも,CALS(Commerce At Light Speed,光速の商取引)など情報通信技術を活用する流通構造改善の必然性がある.

* 参考文献

[6] 建設省都市局監修: ゆとり社会と街づくり道づくり,大成出版社(1992).
[7] 都市環境問題研究会(鹿島 茂,黒田昌幸ほか): 地下物流システム──地区内新物流システム「ロジスティクスLAN」構想,技報堂出版(1995).
[8] 地域内物資集配送システム研究会:平成7年度報告書(1996).
[9] 長澤利夫:都市内端末物流改善のための新システムについて,交通工学,Vol.30,No.5(1995).
[10] 長澤利夫,長瀬惠一郎,勝又 済: 地域内物資集配送システムの開発,都市と交通,No.38(1996).
[11] 建設省道路局,建設省土木研究所,(財)国土開発技術研究センター,(財)道路新産業開発機構:新物流システム,パンフレット.
[12] 郵政省郵政研究所編: ロジスティクス革命,三田出版会(1994).


 
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