本記事は,地方法人税の申告システムeLTAX(エルタックス)を利用している税理士さんや,会社で経理ご担当の方,自分で作業している社長さんや役員さんで,文字化けに困っている人のためのものです.私の対処法を参考にお伝えします. 地方税電子化協議会が運用している地方税ポータルサイトが eLTAXです. 解説:「eLTAX」Wikipedia 執筆時点で,eLTAXの問合せ窓口では,本障害を把握していませんでした. ※ 読者がeLTAX以外で文字化けに遭遇している場合,本サイトの別記事 [Windows 10 アプリ文字化けの解決方法 (まとめ) - 園部研] のほうをご覧になってください. 障害現象 ユーザは,eLATXサイトからダウンロードしたPCdesk というPC用アプリを使います. しかしこの間から,Windows 10のPCで,PCdeskが表示してくる画面の目茶苦茶な「文字化け」が常に起こって全く使い物にならなくなりました. 何をしたら起こったかの説明を下に: ■PC購入時のOSは Windows 8.1でした. ↓ ■2016年6月,無償更新を利用して Windows 10 にアップグレードしました(途中エラーがあり22.5時間所要). ↓ ■2016年7月,eLTAX の PCdesk をインストール.このときは文字化けせず正常に動作しました. ↓ ■2016年8月,「Windows 10 バージョン 1607 Anniversary Update」(Windows 10 の大きな更新)(3, 4時間所要)を実施. ↓ ■これ以後に PCdesk を実行したところ,文字化けが発生してビックリ. 起動したときにまず出てくるのがこの確認画面. 「ごぇ!! くほくてひ? ひとほがあぇ」? 漢字やかな等の日本語文字が読めなくなり,場違いなJISマークなども見えます. かろうじてタイトルバーに「バージョンアッププログラム接続確認」という化けない文字が残っています. もともとは次のものでした: では以下しばらく,文字化け状況をご覧ください── そのほかの文字化け画面を: 「ぉげ〜ほ〜てひ」? こんなボタン,押したら貴重なデータがおかしくなりそうで押せませんよね. もともとは次のものでした: (※ セキュリティ保護のため一部画像加工してあります) 原因 マイクロソフトが Windows 10 でフォントの制御を変更したためと推定されます. 詳細を: 後述の技術情報によれば,Windows 10で動く携帯端末でもPCと同様に世界の数千フォントを使えるようになっていましたが,さらにメモリ使用量を数百MB減らすために,この制御変更を行ったようです. ところが私のようにWordなどのOfficeアプリを使用しているユーザの場合に,Windows 10とOfficeとの両方から別のフォントファイルでありながら同一の名前のフォントがはいってきてしまうようです.しかしそれらの内部では字形(グリフといいます)のIDが異なっています.そのため,PCdeskのようなアプリは正しく文字コードを画面に送っているつもりなのに,ユーザが目にする字形は化けてしまう,ということで,だいたい腑に落ちました. PCdeskは「MS UI Gothic」フォントで日本語表示するときに,恐らく「GDIPlus の Graphics.Drawstring 関数を使って文字列を描画」していることでしょう.そのため,制御変更に影響されて文字化けが起こるようになってしまったと推定します. これからマイクロソフトがWindows 10を改善してくれるまでは,日本のPCdeskに限らず,非英語圏のさまざまなアプリで,同様の文字化け問題が続発する可能性があります. もしその前にPCdeskだけでも改良されたらユーザにはありがたいことですが,通常その種のプログラム修正は大変ですのでどうなりますか……. ──参考 マイフロソフトの技術情報── (1) KB3144536 この内容は,おそらく本件の原因と同じでしょう: 特定の条件により、Windows 10 で文字化けが発生する(2016.3.30)(2017.4.19更新) そこに「この問題は、Windows 10 Creators Update (Version 1703) では発生しません。」と書かれていますので,使っているWindows 10 に Creators Update (2017年4月11日リリース)を掛ける方法が有効と思われます.しかしマイクロソフトは2017年4月25日に同社のブログ(英語)で,Creators Updateには障害があるので手動で掛けないで自動更新を待つように呼びかけています → 「解説記事」. 先に本記事に記した対処法(フォントをデスクトップにコピーしてのインストール)を試してみることをおすすめします. この記事にはOffice 2007の日本語補助フォントが競合した例が確認されたと書いていますが,私はOffice 2010ですし,PCdeskは明朝フォントでなくUIゴシックフォントでしたから,発生条件はこの例より広そうです. (2) KB3083806 関連しているように思います: Windows 10 の一部のアプリでテキストの一部が正方形で表示される理由(2015.8.7) 化け方はPCdeskと異なります(PCdeskが「フォント フォールバック メカニズム」を使っているからの違いかもしれません).しかしたぶんここに記述されている経緯が,本件の問題の起こった原因でしょう.この資料中で,日本語で「オプションのパッケージに移行された主なフォント」は「メイリオ、Meiryo UI、MS ゴシック、MS 明朝」という記載があります.「主な」ですからこれで全部とは保証されないでしょう. 正方形とありますが,長方形かもしれません.文字化けの長方形を昔から俗に“豆腐文字”といいます. PCdeskの開発会社様にはぜひこの資料の「開発者向けの推奨事項」の部を参考にしていただきたいと考えます. 解決方法 情報を集めて考えた結果,私は以下の簡単な方法で直すことができました. ほかにもお困りの方々のために緊急に公開します. これを読みながら実行すれば,15分間程度で修正が完了するかもしれません. なお,上記のように Windows 10 のCreators Update (2017年4月11日リリース)が掛かれば(以下をしてもしなくても)直るはずです.詳しい説明はこちらに書きました → 「3.アプリ表示画面文字化けの 解決方法【Windows 10 の Creators Update以降への更新法】【特定フォント再インストール法】」 (※ 私はなぜ直るのか確認できる立場にありません.ですので必ず直る,あるいは他のアプリに影響がないなどと断言することはできません.) 「コントロールパネル」の「フォント」設定画面を出します: 詳細説明を: ・画面左下に表示されている窓の形の [スタート ボタン] を右クリックして出るメニュー の [コントロール パネル (P)] をクリックします.そして, [デスクトップのカスタマイズ] をクリックし, [フォント] をクリックしてフォント設定画面 にします. また,表示モードによっては, が出ますので,その中の [フォント] をクリックして,フォント設定画面にします. ※ 【注意】Windows 10は紛らわしい構造で,スタートボタンの(左)クリックやキーボードのWindowsキーを押しながら I を押して出る [設定] あるいは [すべての設定] という画面 もありますが,そこから [フォント] には行けないようです. Windows 10では [設定] と別物になっている [コントロール パネル] 経由で上記のように行ってください. ※ 次の方法なら行けます: [スタート ボタン] の(左)クリック - アプリの一覧の [W] - [Windows システム ツール] - [コントロール パネル] 「MS UI Gothic標準」という名前のフォントを見つけます. そのフォントのファイルを,デスクトップ(画面の背景のこと)の余白にコピーします. ファイル名は「msgothic.ttc」となります.(「MS UI Gothic標準」にはなりません.) 詳細説明を: 操作方法は(アイコン表示モードのとき), または(詳細表示モードのとき), のように,「MS UI Gothic標準」フォントのアイコン(か名称)の上で右クリックをして,メニューから「コピー (C)」を選んでクリックします. もしくは,フォントのアイコン(か名称)上でCtlr-Cを押すことでコピーをします. 次に,デスクトップの余白でCtrl-Vを押すことで貼り付けます. (アイコンが出現する位置はCtrl-Vを押した位置とは限らず,デスクトップの左上に固まるような位置になります.) (あるいは,Ctrl キーを押しながらマウスカーソルをフォントのアイコン(か名称)から出発してデスクトップの余白までドラッグする操作でも,ファイルをコピーできます.) デスクトップ上のファイルアイコン「msgothic.ttc」の右クリックメニューで「インストール」を実行します. 詳細説明を: のように [インストール (I)] をクリックします. のような問合せが出てきた場合は,[OK] をクリックします. インストールがはじまって進行状況の画面が出て, わずか数秒で終わるはずです. (このマニュアルの作成のために)2回以上実行しました.そのときは上記問合せに [OK] を答える必要ができましたが,結果に問題はありませんでした. eLTAXのPCdeskを起動してみて,文字化けが直ったことを確認します. 詳細説明を: このように中央のメッセージやボタンの文字が化けずに出ていればOKです. [スキップ] で終了してもよいでしょう. デスクトップ上の「msgothic.ttc」は不要になったので,右クリックメニューで「削除」を実行します. 詳細説明を: 解決方法は以上です.お疲れさまでした. (万一この方法で直らない場合, eLTAXヘルプデスクに問い合わせフォームか電話で問合せる道,および,マイクロソフトの情報「特定の条件により、Windows 10 で文字化けが発生する」をもとに自分で対処してみる道があります.) eLTAXでの,上記以外の文字化けについて 上記はPCdeskの画面出力での問題でした.eLTAXではその他に,以下の文字化け情報があります → ありましたがおそらく2019年の改装以後なくなりました. ※ 読者がこれらに該当しない文字化けに遭遇している場合,本サイトの別記事 [Windows 10 アプリ文字化けの解決方法 (まとめ) - 園部研] も参考にしてください.
何をしたら起こったかの説明を下に: ■PC購入時のOSは Windows 8.1でした. ↓ ■2016年6月,無償更新を利用して Windows 10 にアップグレードしました(途中エラーがあり22.5時間所要). ↓ ■2016年7月,eLTAX の PCdesk をインストール.このときは文字化けせず正常に動作しました. ↓ ■2016年8月,「Windows 10 バージョン 1607 Anniversary Update」(Windows 10 の大きな更新)(3, 4時間所要)を実施. ↓ ■これ以後に PCdesk を実行したところ,文字化けが発生してビックリ.
そのほかの文字化け画面を: 「ぉげ〜ほ〜てひ」? こんなボタン,押したら貴重なデータがおかしくなりそうで押せませんよね. もともとは次のものでした: (※ セキュリティ保護のため一部画像加工してあります)
詳細を: 後述の技術情報によれば,Windows 10で動く携帯端末でもPCと同様に世界の数千フォントを使えるようになっていましたが,さらにメモリ使用量を数百MB減らすために,この制御変更を行ったようです. ところが私のようにWordなどのOfficeアプリを使用しているユーザの場合に,Windows 10とOfficeとの両方から別のフォントファイルでありながら同一の名前のフォントがはいってきてしまうようです.しかしそれらの内部では字形(グリフといいます)のIDが異なっています.そのため,PCdeskのようなアプリは正しく文字コードを画面に送っているつもりなのに,ユーザが目にする字形は化けてしまう,ということで,だいたい腑に落ちました. PCdeskは「MS UI Gothic」フォントで日本語表示するときに,恐らく「GDIPlus の Graphics.Drawstring 関数を使って文字列を描画」していることでしょう.そのため,制御変更に影響されて文字化けが起こるようになってしまったと推定します. これからマイクロソフトがWindows 10を改善してくれるまでは,日本のPCdeskに限らず,非英語圏のさまざまなアプリで,同様の文字化け問題が続発する可能性があります. もしその前にPCdeskだけでも改良されたらユーザにはありがたいことですが,通常その種のプログラム修正は大変ですのでどうなりますか……. ──参考 マイフロソフトの技術情報── (1) KB3144536 この内容は,おそらく本件の原因と同じでしょう: 特定の条件により、Windows 10 で文字化けが発生する(2016.3.30)(2017.4.19更新) そこに「この問題は、Windows 10 Creators Update (Version 1703) では発生しません。」と書かれていますので,使っているWindows 10 に Creators Update (2017年4月11日リリース)を掛ける方法が有効と思われます.しかしマイクロソフトは2017年4月25日に同社のブログ(英語)で,Creators Updateには障害があるので手動で掛けないで自動更新を待つように呼びかけています → 「解説記事」. 先に本記事に記した対処法(フォントをデスクトップにコピーしてのインストール)を試してみることをおすすめします. この記事にはOffice 2007の日本語補助フォントが競合した例が確認されたと書いていますが,私はOffice 2010ですし,PCdeskは明朝フォントでなくUIゴシックフォントでしたから,発生条件はこの例より広そうです. (2) KB3083806 関連しているように思います: Windows 10 の一部のアプリでテキストの一部が正方形で表示される理由(2015.8.7) 化け方はPCdeskと異なります(PCdeskが「フォント フォールバック メカニズム」を使っているからの違いかもしれません).しかしたぶんここに記述されている経緯が,本件の問題の起こった原因でしょう.この資料中で,日本語で「オプションのパッケージに移行された主なフォント」は「メイリオ、Meiryo UI、MS ゴシック、MS 明朝」という記載があります.「主な」ですからこれで全部とは保証されないでしょう. 正方形とありますが,長方形かもしれません.文字化けの長方形を昔から俗に“豆腐文字”といいます. PCdeskの開発会社様にはぜひこの資料の「開発者向けの推奨事項」の部を参考にしていただきたいと考えます.
詳細説明を: ・画面左下に表示されている窓の形の [スタート ボタン] を右クリックして出るメニュー の [コントロール パネル (P)] をクリックします.そして, [デスクトップのカスタマイズ] をクリックし, [フォント] をクリックしてフォント設定画面 にします. また,表示モードによっては, が出ますので,その中の [フォント] をクリックして,フォント設定画面にします. ※ 【注意】Windows 10は紛らわしい構造で,スタートボタンの(左)クリックやキーボードのWindowsキーを押しながら I を押して出る [設定] あるいは [すべての設定] という画面 もありますが,そこから [フォント] には行けないようです. Windows 10では [設定] と別物になっている [コントロール パネル] 経由で上記のように行ってください. ※ 次の方法なら行けます: [スタート ボタン] の(左)クリック - アプリの一覧の [W] - [Windows システム ツール] - [コントロール パネル]
詳細説明を: 操作方法は(アイコン表示モードのとき), または(詳細表示モードのとき), のように,「MS UI Gothic標準」フォントのアイコン(か名称)の上で右クリックをして,メニューから「コピー (C)」を選んでクリックします. もしくは,フォントのアイコン(か名称)上でCtlr-Cを押すことでコピーをします. 次に,デスクトップの余白でCtrl-Vを押すことで貼り付けます. (アイコンが出現する位置はCtrl-Vを押した位置とは限らず,デスクトップの左上に固まるような位置になります.) (あるいは,Ctrl キーを押しながらマウスカーソルをフォントのアイコン(か名称)から出発してデスクトップの余白までドラッグする操作でも,ファイルをコピーできます.)
詳細説明を: のように [インストール (I)] をクリックします. のような問合せが出てきた場合は,[OK] をクリックします. インストールがはじまって進行状況の画面が出て, わずか数秒で終わるはずです. (このマニュアルの作成のために)2回以上実行しました.そのときは上記問合せに [OK] を答える必要ができましたが,結果に問題はありませんでした.
詳細説明を: このように中央のメッセージやボタンの文字が化けずに出ていればOKです. [スキップ] で終了してもよいでしょう.
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