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相手の先を同じ方向に歩いていきます.絶対に急いだ様子をしてはいけません. 曲り角にさしかかるまでに徐々に加速します. けれども,歩調(リズム)の変化は,相手に悟られない程度に抑えます. その代わり,歩幅を目一杯大きくして,大股に歩いていきます. さて,曲り角を曲がって自分が相手から見えなくなった瞬間に,大胆な行動開始です. 靴が鳴らないように腰を落し気味の姿勢をとり,足は決して高くあげず,靴を地面に軟らかく着地させて,音を立てないように走ります. 「競歩」のような感じ. スススっと,できるだけ速く. このとき,バッグは,バタバタ言わないように手で持つか抑えます. 相手がさっきの曲り角を曲がってくる直前の瞬間を見はからって,自分は,最初と同じゆっくりした歩きに戻します. あるいは,それまでにもうひとつ曲がり角を曲がってしまうとか,部屋や店にはいってしまうことができれば,もう完璧です. すると相手は,こちらがいるとなんとなく予想している場所――つまり最初と同じ距離の先――にもうこちらがいないと知った瞬間,強烈な驚きに打たれます. 私は,10代の頃,いや,そのあともちょっとやりましたね. 単に駅の地下道や,会社の地下道で,後ろからくる知らない人を唖然とさせるのにしたこともありますね.どうもすみません. |