園部研 > > > Eng|Ger|Fre|Spa|Por|Ita
【22世紀へ!園部研】
番号案内&接続システムの特許出願 番号案内&接続システムの特許出願  
発明の名称
「接続機能付き番号案内方法および番号案内システム」

請求項目次

  請求項 1 《番号案内システム》
  請求項 2 《番号案内方法》
  請求項 3 《番号案内プログラム記録媒体》

 【発明の詳細な説明】
 【従来の技術】
 【発明が解決しようとする課題】
 【課題を解決するための手段】
 【発明の実施の形態】
 【発明の効果】
 【図面の簡単な説明】
 【符号の説明】
 【要約】


【書類名】       特許願
【整理番号】      *
【提出日】       平成15年4月15日
【あて先】       特許庁長官殿
【国際特許分類】    H04M  3/493
            H04M  3/32
            H04M  3/42
            H04M  3/58
【発明者】
  【住所又は居所】  *
  【フリガナ】    ソノベ マサユキ
  【氏名】      園部 正幸
【特許出願人】
  【識別番号】    *
  【フリガナ】    ソノベ マサユキ
  【氏名又は名称】  園部 正幸
【手数料の表示】
  【予納台帳番号】  *
  【納付金額】    21000
【提出物件の目録】
  【物件名】 明細書 1
  【物件名】 図面  1
  【物件名】 要約書 1

【書類名】   明細書
【発明の名称】     接続機能付き番号案内方法および番号案内システム
【特許請求の範囲】

  【請求項1】
《番号案内システム》

(状況によって,電話網,通信線路,統合サービスデジタル網,ネットワーク,コンピュータネットワーク,インターネット,イントラネット,ローカルエリアネットワーク(LAN),ワイドエリアネットワーク(WAN),ケーブルテレビ(CATV)網,VoP(Voice over Packet)網,VoATM(Voice over ATM)網(ATM:Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード),VoFR(Voice over Flame Relay)網,VoIP(Voice over IP)網,無線通信網,移動通信網,前記各網のいくつかを複合した網,とも呼ばれることのある)
通信網(1)において
(状況によって,加入者,利用者,ユーザ,電話機能プログラムとも呼ばれることのある)
発呼者が
(状況によって,電話機,携帯電話,PHS(Personal Handy-phone System),IP電話(IP:Internet Protocol),インターネット電話用端末,「電話発信機能を搭載したコンピュータ」とも呼ばれることのある)
発呼端末(2)から行う案内要求に応えて,
(状況によって,電話番号,URL(Uniform Resource Locator),URI(Uniform Resource Identifier),URN(Uniform Resource Name),ID(Identifier),端末アドレス,IPアドレス(Internet Protocol Address)とも呼ばれることのある)
番号を
(状況によって,電話帳,名簿,ディレクトリ,タウン情報,地理情報システムとも呼ばれることのある)
データベース(3)を自動検索して決め,またはオペレータもしくは処理プログラムから入力して発呼者に案内する番号案内システム(4)であって:

 (イ) 発呼者の発呼端末(2)からの案内要求呼(5)を受け付ける案内受付手段(6)と;

 (ロ) 該案内要求呼(5)で発呼者から伝えられる問合せ情報に基づいて,自動的にデータベース(3)を参照して被呼番号(7)を決める,または,オペレータもしくは処理プログラムから被呼番号(7)を入力もしくは選択入力して決める被呼番号決定手段(8)と;

 (ハ) (オプショナルに具備する)被呼番号(7)を発呼者に音声および/またはデータで送信する被呼番号通知手段(9)と;

 (ニ) (オプショナルに具備する)発呼者が被呼予定端末との接続を「希望する」という情報または「希望しない」という情報を判断する接続希望確認手段(10)と;

 (ホ) 発呼者が接続を希望していないのでなければ,「該発呼者の発呼端末(2)を該案内受付手段(6)から切断して該発呼者の発呼端末(2)を該被呼予定端末(11)と接続するように」と
(状況によって,交換機,ルータ,網間接続装置,ゲートウェイ(gateway),中継サーバ,「交換機能を搭載したコンピュータ」とも呼ばれることのある)
交換手段(12)接続変更要求(13)を送信する接続変更手段(14)と;

からなることを特徴とする
番号案内システム.


  【請求項2】
《番号案内方法》

通信網(1)において
発呼者が
発呼端末(2)から行う案内要求に応えて,
番号を
データベース(3)を自動検索して決め,またはオペレータもしくは処理プログラムから入力して発呼者に案内する番号案内方法であって:

 (イ) 発呼者の発呼端末(2)からの案内要求呼(5)を受け付ける案内受付ステップ(15)と;

 (ロ) 該案内要求呼(5)で発呼者から伝えられる問合せ情報に基づいて,自動的にデータベース(3)を参照して被呼番号(7)を決める,または,オペレータもしくは処理プログラムから被呼番号(7)を入力もしくは選択入力して決める被呼番号決定ステップ(16)と;

 (ハ) (オプショナルに具備する)被呼番号(7)を発呼者に音声および/またはデータで送信する被呼番号通知ステップ(17)と;

 (ニ) (オプショナルに具備する)発呼者が被呼予定端末との接続を「希望する」という情報または「希望しない」という情報を判断する接続希望確認ステップ(18)と;

 (ホ) 発呼者が接続を希望していないのでなければ,「該発呼者の発呼端末(2)を該案内受付手段(6)から切断して該発呼者の発呼端末(2)を該被呼予定端末(11)と接続するように」と交換手段(12)接続変更要求(13)を送信する接続変更ステップ(19)と;

からなることを特徴とする
番号案内方法.


  【請求項3】
《番号案内プログラム記録媒体》

 コンピュータによって番号案内するための
(状況によって,スクリプト,オブジェクト,ファームウェアとも呼ばれることのある)
プログラムを記録した
 機械読み取り可能な媒体であって,
 該プログラムは;

 (イ) 案内受付手段(6)に,発呼者の発呼端末(2)からの案内要求呼(5)を受け付けさせ;

 (ロ) 被呼番号決定手段(8)に,該案内要求呼(5)で発呼者から伝えられる問合せ情報に基づいて,自動的にデータベース(3)を参照して被呼番号(7)を決めさせ,または,オペレータもしくは処理プログラムが入力したもしくは選択入力した被呼番号(7)を入力させ;

 (ハ) (オプショナルに具備する)被呼番号通知手段(9)に,被呼番号(7)を発呼者に音声および/またはデータで送信させ;

 (ニ) (オプショナルに具備する)接続希望確認手段(10)に,発呼者が被呼予定端末との接続を「希望する」という情報または「希望しない」という情報を判断させ;

 (ホ) 発呼者が接続を希望していないのでなければ,接続変更手段(14)に,「該発呼者の発呼端末(2)を該案内受付手段(6)から切断して該発呼者の発呼端末(2)を該被呼予定端末(11)と接続するように」と交換手段(12)接続変更要求(13)を送信させる;

 ことを特徴とする
 番号案内プログラムを記録した機械読み取り可能な媒体.


【発明の詳細な説明】
   【0001】
  【発明が属する技術分野】
   【0002】
 本発明は,接続機能付きの番号案内方法,および接続機能付きの番号案内システムに関する.

   【0003】

  
【従来の技術】
 従来の電話番号案内サービスは,オペレータが電話番号データベースを調べて声または合成音声で利用者に答える.このあと利用者は,たいていの場合はすぐに案内された番号に電話を掛け直すにもかかわらず,番号をメモして,いったん電話を切って,改めてダイヤルしなくてはならない.
 このため,急いでメモした番号が間違っていて間違い電話になってしまい,再度番号案内サービスに問い合わせることもしばしばある.
 メモする紙がなかったのか,電話機や台に電話番号が書きつけられているのも目にする.
   【0004】
 こうした電話番号を覚えて掛け直さなくてはいけないような手間を一切省く技術が求められている.
   【0005】
 この状況は,電話番号案内サービスをうたってオペレータが調査回答しているところで起こっているだけでなく,他でも起こっている.
 たとえば,企業の電話交換台にかかってきた電話で,あるサービスかある担当者に繋いでほしいと依頼される.該当者がその事業所の内線電話であるならば,オペレータは単に内線に接続すればよい.しかし,該当者が他の事業所や関係会社であって外線番号が異なる場合には,その番号を教えて掛け直してもらっている.これは,臨時に「電話番号案内サービス」と同様の役割をつとめているともいえる.この場合も,掛け直しの手間を省くことが求められる.
   【0006】
 近年,携帯電話に加えて,IP電話,インターネット電話といった新しい形態の電話が登場したため,会社名,個人名などから電話番号を検索する必要性がますます増えている.音声で案内するだけでなく,文字列を入力,選択し,あるいはアイコンを選択して電話番号を調べられる番号検索ソフトウェアと,そのソフトウェアからの要求で番号案内サービスをするサイトが提供されている.こうした番号案内が接続先への接続し直しまでしてくれれば便利である.

(番号検索ソフトウェアの参考資料:
「東日本電信電話株式会社(
http://www.ntt-east.co.jp/):ANGEL LINE(登録商標)」:
http://www.ntt-east.co.jp/angel/).
   【0007】
 本書で番号案内とは,電話番号だけでなく,URI(Uniform Resource Identifier),URL(Uniform Resource Locator),URN(Uniform Resource Name),ID(Identifier),端末アドレス,IPアドレス(Internet Protocol Address)など,広い意味の番号を調べて案内することを指している.

(URI,URL,URNの参考資料:
「W3C (国際規格団体): Web Naming and Addressing Overview (URIs, URLs, ...)」:
http://www.w3.org/Addressing/#terms).

(URI,URL,URNの参考資料:
「神崎正英:URN (Uniform Resource Name) について-- ごく簡単なHTMLの説明」:
http://www.kanzaki.com/docs/html/urn.html).

   【0008】
 以下に,従来技術1として,コールバック機能を利用した電話番号案内サービスについて述べる.
   【0009】
 従来提案されているものに,特開2002−344629「電話番号案内サービスシステムとその方法およびその処理プログラム」(出願人:日本電信電話株式会社)がある.
 このアイデアでは,本当は被呼予定端末にはまだ接続していない段階で,利用者端末に被呼予定端末から電話がかかってきたかのように見せる.
 これを実現するために,交換機の「試験端子」から該利用者の電話機に自動的に電話をかける.そうすれば,発信元の番号は,試験端子にセットされた,該被呼予定端末の電話番号になる.
 該利用者の電話機に,受信した電話の番号を記録する機能を含むコールバック機能がついていれば,利用者はコールバック機能を利用して,該被呼予定端末に電話をかけることができる,というものである.
 この方法で,利用者が電話番号をメモして入力する手間は省ける.
   【0010】
 しかし,以下の場合にはうまくいかない:

 (イ) 古い電話機などでコールバック機能がついていなかった場合;

 (ロ) 公衆電話のように電話機が電話番号を記憶するのが不適当なためにコールバック機能がつけられない電話機だった場合;

 (ハ) 使っている電話機は他人のもので,利用者がコールバック機能の使い方を知らなかった場合,または,着信履歴画面を見せてもらえなかった場合;

 (ニ) 利用者が,電話機のコールバック機能を使いこなせなかった場合;

 (ホ) 電話番号案内サービスから最初の発呼端末への着呼の際の呼出鳴動回数を1回など少なく設定するシステムで,電話機の種類あるいは電気的な状況によって呼出が鳴動しなかったために利用者が着呼に気づかなかった場合;

 (ヘ) 電話番号案内サービスから最初の発呼端末への着呼の際に特にトーキ(音声ガイダンス)を流すことなく無音に設定しているシステムで,利用者が電話に出て困惑してしまった場合;

 (ト) 利用者が,コールバックと操作が似た機能,たとえばリダイヤルを誤って起動してしまった場合;

 (チ) 利用者がコールバックでかけようとしている間に,別のところから電話がかかってきてしまった場合;

 (リ) 利用者が受信履歴画面を出して履歴レコードの中から選択してコールバックしようとしたときに,間違って別の履歴レコードを選択してコールバックしてしまった場合.

   【0011】
 従来技術1は,被呼予定端末への接続が完全自動ではなく,電話機,利用者,およびタイミングに,それぞれ好条件を期待している.
 このため,もし公衆の電話網などで採用すれば,失敗した利用者からの苦情の多発,番号案内サービスへの再依頼の多発,および,誤発信トラブルの多発が予想される.
   【0012】
 利用者側の操作が複雑なために,番号案内サービスから利用者への操作方法の案内文は長く分かりにくくなり,あらかじめ利用方法を周知させることも,コールバックの方法が電話や端末によって多種多様であることや,手順が複雑な機種もあることから容易ではない.
   【0013】
 さらに,利用者の個人持ちの電話機でない限り,電話案内で得た電話番号を電話機に残すことは個人情報の漏洩につながるので好ましくないと考える人もいるであろう.
   【0014】
 以上,従来技術1として,コールバック機能を利用した電話番号案内サービスについて述べた.


   【0015】
 以下に,従来技術2として,手動接続通話サービスについて述べる.
   【0016】
 手動接続通話サービスは,利用者がオペレータに電話番号を言うと,オペレータが利用者の電話を相手先に接続するというサービスである.
 手動接続通話サービスは番号案内サービスと兼ねることができない.
 このため,利用者はあらかじめ番号を調べておかなくてはならない.

(手動接続通話サービスと番号案内サービスの参考資料:
「NTT番号情報株式会社(http://bj.nttds.co.jp/index.html):商品・サービス紹介」
http://bj.nttds.co.jp/bj-dir/service/service.html

「NTT東日本株式会社(http://www.ntt-east.co.jp/):インフォメーション>番号案内」
http://www.ntt-east.co.jp/databook/bangouannai.html).
   【0017】
 以上,従来技術2として,手動接続通話サービスについて述べた.


   【0018】
 端末の番号案内には,従来の典型的な,電話での音声の問合せに対する音声の案内だけでなく,例をあげれば:

 (イ) 携帯電話,PHSからの文字列入力,カテゴリ選択入力;

 (ロ) 携帯電話,PHSからのGPS(Global Positioning System:人工衛星からの電波を用いた位置測定システム)による位置情報伝達;

 (ハ) 電話の無線を受信した無線基地局の位置による位置情報伝達;

のうちのひとつ以上を行って,該文字列,該カテゴリ,あるいは該位置情報をもとに,該当するもしくは近隣の人,組織,あるいはサービスの電話番号を回答するような自動番号案内システムも,広く使われるようになった.
 この例のような場合も,回答される電話番号がひとつに決まった場合には,自動的に接続までして欲しいという要求が生まれるのは自然であろう.
   【0019】
 また,IP電話,あるいはインターネット電話では,利用者が新しい電話端末やコンピュータを使って電話をかけることが多く,高度な自動化が指向される.番号案内の結果が文字情報で画面に表示されるだけでなく,同一の端末あるいはコンピュータで電話がかけられるようになったのであれば,自動的に相手に接続されることが歓迎されるであろう.

   【0020】

  【発明が解決しようとする課題】
 本発明の目的は,番号の調査のあと発呼端末を案内された被呼予定端末に確実かつ短時間に接続することができる,番号案内方法および番号案内システムを提供することである.

   【0021】

  
【課題を解決するための手段】
 前記課題を解決するために,本発明は,被呼番号をひとつに絞り込んで決定した上で,発呼端末を切断せずに被呼予定端末に接続しなおすよう交換手段にパスの変更をさせることを主要な特徴としている.
   【0022】
 以下に,各請求項の解決手段の要旨を述べる.
   【0023】
 
請求項1記載の番号案内システムの発明は:

 (イ) 発呼者の発呼端末2からの案内要求呼5を受け付ける案内受付手段6と;

 (ロ) 該案内要求呼5で発呼者から伝えられる問合せ情報に基づいて,自動的にデータベース3を参照して被呼番号7を決める,または,オペレータもしくは処理プログラムから被呼番号7を入力もしくは選択入力して決める被呼番号決定手段8と;

 (ハ) (オプショナルに具備する)被呼番号7を発呼者に音声および/またはデータで送信する被呼番号通知手段9と;

 (ニ) (オプショナルに具備する)発呼者が被呼予定端末との接続を「希望する」という情報または「希望しない」という情報を判断する接続希望確認手段10と;

 (ホ) 発呼者が接続を希望していないのでなければ,「該発呼者の発呼端末2を該案内受付手段6から切断して該発呼者の発呼端末2を該被呼予定端末11と接続するように」と
交換手段12接続変更要求13を送信する接続変更手段14と;

からなることを要旨とする.
 項目(ハ),(ニ)の各手段を具備するかどうかはオプション(任意選択)である.
 本発明により,発呼端末を通信網から切断せずに迅速に被呼予定端末に接続しなおすことが可能となる.

   【0024】
 請求項2記載の番号案内方法の発明は:

 (イ) 発呼者の発呼端末2からの案内要求呼5を受け付ける案内受付ステップ15と;

 (ロ) 該案内要求呼5で発呼者から伝えられる問合せ情報に基づいて,自動的にデータベース3を参照して被呼番号7を決める,または,オペレータもしくは処理プログラムから被呼番号7を入力もしくは選択入力して決める被呼番号決定ステップ16と;

 (ハ) (オプショナルに行う)被呼番号7を発呼者に音声および/またはデータで送信する被呼番号通知ステップ17と;

 (ニ) (オプショナルに行う)発呼者が被呼予定端末との接続を「希望する」という情報または「希望しない」という情報を判断する接続希望確認ステップ18と;

 (ホ) 発呼者が接続を希望していないのでなければ,「該発呼者の発呼端末2を該案内受付手段6から切断して該発呼者の発呼端末2を該被呼予定端末11と接続するように」と交換手段12接続変更要求13を送信する接続変更ステップ19と;

からなることを要旨とする.
 項目(ハ),(ニ)の各ステップを行うかどうかはオプション(任意選択)である.
 本発明により,発呼端末を通信網から切断せずに迅速に被呼予定端末に接続しなおすことが可能となる.
   【0025】
 請求項3記載の番号案内プログラム記録媒体の発明は:

 前記,請求項2記載の番号案内方法を実行するプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体である
ことを要旨とする.
 したがって,本発明によっても,前記課題が解決される.
   【0026】
 以上,各請求項の解決手段の要旨を述べた.


   【0027】

  【発明の実施の形態】
 本発明の実施の形態を,図面に基づいて詳細に説明する.

   【0028】
 以下に,
請求項1の実施形態を説明する.
   【0029】
 図1請求項1を適用した番号案内システムの実施例構成図である.




図1 番号案内システムの実施例構成図

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


   【0030】
 図中,1は通信網2は発呼端末3はデータベース(オプショナル),4は番号案内システムである.
   【0031】
 一般に,電話,およびtelnet,ftpなどリアルタイムに接続する通信プロトコル(protocol)で通信を行うには,発呼端末が相手先の被呼端末とパス(path)あるいはリンク(link)を接続する必要がある.
 この際,インターネット電話などに用いられているパケット交換方式であればパスの途中の交換手段をすべて割り当てることなく,宛先をもったデータを小分けした「小包」であるパケットごとに動的に経路が選択され,デジタル化された音声などの通信データが両端末間でやりとりされ送信した順序に戻され組み立てられて相手先に届く.
 一方,通常の電話網に用いられている回線交換方式では,パスが途中どの交換手段を経由するかがひとつに割り当てられて,開放されるまでその経路で音声など通信データがやりとりされる.実際には両方式が混在していることがある.
   【0032】
 本図で通信網1に複数示した交換手段12の接続トポロジーは一例であって,個々の機器について,12aは交換手段(発呼端末収容交換手段)12bは交換手段(分岐点)12cは交換手段(番号案内システム収容交換手段)12dは交換手段(中間)12eは交換手段(被呼端末収容交換手段)とした.実際には,全体が一台である可能性もあり,一方,より多くの中間の交換手段をパスが通ることもある.交換手段間をつなぐ中継回線は,電話網,移動通信網など異なる通信網に属していることもある.
   【0033】
 発呼者が被呼予定端末の番号を知らない場合,従来であれば,番号案内システムに問合わせて番号を知ってから掛け直す.その場合,発呼端末と番号案内システムとのパス接続を行って番号の案内を受け,パス切断のあと,改めて発呼端末と被呼予定端末とのパス接続を行って通話し,パス切断を行う.
   【0034】
 本実施例では,発呼端末2番号案内システム4に案内を要求するところは従来と同様である.この呼をここでは案内要求呼5と称することにする.
   【0035】
 番号案内システム4案内受付手段6をもっていて,発呼端末2から案内要求呼5が来ると接続する.
   【0036】
 電話であればオフフック状態になって発呼者と音声やプッシュボタンによるデータを人または機械が受ける.応対するのはオペレータ,コミュニケータ,交換係といった人間でもよく,処理プログラムの動作するコンピュータでもよく,また,人工知能(知識処理)プログラム,音声認識回路,音声合成回路,プッシュボタンによるデータを読み取る回路,端末にデータを出力する回路のうちひとつ以上を組み合わせたものでもよい.
   【0037】
 番号案内システム4付属の,図にないカメラまたはコンピュータグラフィックス合成回路からの画像を,発呼端末2付属の,図にないディスプレイに表示して,画像を併用した案内接続サービスを行ってもよい.
 また,発呼端末2付属の,図にないカメラからの画像を,番号案内システム4付属の,図にないディスプレイに表示することで,画像を併用した案内接続サービスを行ってもよい.
   【0038】
 データ通信であれば問合せ(query)のメッセージを発呼端末2から入力する.
   【0039】
 案内受付手段6が案内を受け付けると,被呼番号決定手段8が,番号を調べて被呼番号を決定する.
 調べる主体は人間でもよく,あるいは,処理プログラムもしくは人工知能(知識処理)プログラムの動作するコンピュータあるいは回路でもよい.データベース3を自動またはマニュアルで検索してもよいが,検索せずに被呼番号を思い出せればすぐ決定できることもある.ネットワークで検索して決定してもよい.
   【0040】
 決定された被呼番号7を,あるいはさらに被呼番号の加入者情報もしくは住所,ビル名,代表番号か否か,その他の属性を,該被呼番号通知手段9が,オペレータの声,合成音声,文字,あるいは選択用のアイコン表示,その他データで発呼端末2に通知してもよい.
   【0041】
 次のいずれかの場合は,再度案内受付手段6を起動し,発呼端末2から問合せ情報の追加を得て,再度被呼番号をひとつに決定しようと試みてもよい:

 (イ) 問合せ情報が不完全な場合;

 (ロ) 該当する被呼番号が見つからない場合;

 (ハ) 該当する被呼番号が2個以上ある場合;

 (ニ) 発呼者が,該当する被呼番号の加入者情報もしくは属性を知って「被呼番号の者は自分の目的の被呼者でない」と表明した場合.

   【0042】
 同様に,文字列による検索であって検索結果の件数が多く出過ぎた場合にも,発呼者に文字列を変えての入力をさせて検索結果の被呼番号を表示することを繰り返すことによって,協同して絞り込みを行うことができる.
   【0043】
 ここで,発呼者が被呼番号7をメモできるように,オペレータの声,トーキ,あるいは合成音声などで,確認ボタンの押下を求めて,ボタン押下の信号を受信したのを確認してから次に進むようにしてもよい.
   【0044】
 次のいずれかの場合は,異常終了として発呼端末2とのパスを切断する:

 (イ) 発呼者があきらめて案内依頼の中止を表明した場合;

 (ロ) 発呼者がパスを切断した場合;

 (ハ) ある程度問合せを繰り返しても被呼番号決定ができなかった場合;

 (ニ) 発呼者に音声やデータを求めてから一定時間,たとえば60秒を監視してタイムアウトとなった場合.

 (ホ) 受呼してから一定時間,たとえば300秒を監視してタイムアウトとなった場合.

   【0045】
 この場合,パス切断前に,発呼端末2に,切断する旨のトーキ,合成音声,または文字表示を送ってもよい.
   【0046】
 次に,接続希望確認手段10はオプショナルである.番号案内システムがひとつの受付番号だけで,「接続機能なしの案内」,「接続機能つきの案内」の両方のサービスを兼ねる場合には必要になる.
 「接続機能なしの案内」,「接続機能つきの案内」で受付番号を分ければ,サービスの利用者にとって分かりやすく,接続あり/なしで課金もし分けやすい.
 一方,「接続機能なしの案内」,「接続機能つきの案内」で受付番号を一緒にすると,案内状況によってすぐ接続するかどうかを発呼者が任意に決めることができる.
   【0047】
 接続希望確認手段10は,該案内要求呼5に対して,発呼者が被呼予定端末との接続を「希望する」という情報または「希望しない」という情報を判断する.
   【0048】
 接続希望の確認は,具体的には次の例のひとつあるいは組合わせで実現できる:

 (イ) オペレータが発呼者と声の通話で確認し,結果をボタン押下,キー入力,マウスクリックなどで入力する;

 (ロ) 発呼者と番号案内システムとの通話状態がはじまって以降,番号案内システムでは発呼端末のボタンを押されて送られてくるトーン信号を図にないトーン信号検出回路で検出し,あるいは,パルスを図にないパルス信号検出回路で検出し,あるいは,文字データを図にないデータ入力回路で入力し,あるいは,発語された音声を図にない音声認識回路で認識し,いずれにしても,対応する意味が「希望する」あるいは「希望しない」であるということから判断する.
 たとえば,「104」が番号案内サービスの受付番号である場合,接続を希望する発呼者には,あたかも「1045」が接続機能付き番号案内サービスの受付番号であるかのように公報し,サービスを受けたいときには「1045」とダイヤルしてもらう.
 実際には「104」をダイヤルしただけで番号案内システムに接続される.
 「指定省略時は『希望しない』である」と決めたシステムであれば,このとき,図にない「接続希望レジスタ」が0にリセットされる.
 しかし,ひきつづき,余った「5」を番号案内システムで検出できるので,このとき接続希望レジスタを1にセットする.
 単に「104」とダイヤルしただけの発呼の場合は,接続希望レジスタは0のリセット状態にとどまっている.
 そこで,接続希望確認手段10は,該接続希望レジスタがセット状態1であるかリセット状態0であるかを読み取って判別する;

 (ハ) 接続希望の入力を発呼者に促すような,オペレータの声またはトーキまたは合成音声を流したあと,番号案内システムでは発呼端末のボタンを押されて送られてくるトーン信号をトーン信号検出回路で検出し,あるいは,パルスをパルス信号検出回路で検出し,あるいは,文字データをデータ入力回路で入力し,あるいは,発語された音声を音声認識回路で認識し,いずれにしても,対応する記号の意味が「希望する」あるいは「希望しない」であるということから判断する.
 たとえば,「1」が「希望する」,「0」が「希望しない」に意味づけしてもよい.
 この方法ならば,発呼者の意思表示が比較的明確なので課金をし分けやすい.;

 (ニ) あらかじめ発呼者ごとに,あるいは発呼端末ごとに,番号案内システムに対して接続を希望するかどうか,発呼者の希望をデータベースに登録しておく.番号案内システムはデータベースを発呼者の番号またはアドレスをキーとして検索して,希望するかどうかの情報を取り出す.登録されていない人をどちらに扱うかは予め決めておく;

 (ホ) 標準で接続するものとし,接続が不要な発呼者は速やかにオンフックすることにより回線を切断すればよいこととする.

   【0049】
 次に,発呼者が接続を希望していないのでなければ,接続変更手段14が起動される.
   【0050】
 接続変更手段14は,交換機を典型例とする交換手段12に対して,接続変更を指示する接続変更要求13を送信する.一般に交換機間では,音響,映像,データ等のほかに,各種制御信号をやりとりすることができる.本実施例では,接続変更要求13のメッセージをもつ信号を番号案内システム4から通信網1の中の交換手段12の少なくともひとつに送る.該接続変更要求13メッセージのパラメタとして:

 (イ) 該案内要求呼5のIDまたは該発呼端末2の番号;

 (ロ) 該被呼番号7

の両方を,明示的もしくは暗示的に伴う.

   【0051】
 次に,交換手段がどのように接続のパスを切り替えるかについて述べる.
 前記接続変更手段14は,交換手段の中でも,切替を行う交換手段に対して,接続変更要求13を送る.
   【0052】
 パケットによる通信で,パスの切替は,交換手段(発呼端末収容交換手段)12a接続変更要求13を通知し,該交換手段が,以後のパケットの送信先である被呼予定端末11とリンクを確立することで実現される.パケットの中の宛先部には,被呼予定端末11のアドレスがセットされることになる.
   【0053】
 一方,回線交換による通信で,パスの切替は,次に述べる複数の方法で実現できる.
   【0054】
 図3図4はそれぞれひとつの方法である.丸の中の文字は以下に記載する状態の番号であり,矢印は状態から状態への変化,矢印に添えた文字は状態が変化する条件を示す.




図3 状態遷移図A

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)






図4 状態遷移図B

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


   【0055】
 いま,実施例の図1で交換手段の間でパスがどう接続されているかを状態によって区別するために,図5図6図7図8図9図10図11図12として,それぞれ,「接続状態0」,「接続状態1」,「接続状態2」,「接続状態3」,「接続状態4」,「接続状態5」,「接続状態6」,「接続状態7」と名付けた状態を示す.
 交換手段間の点線は,通信可能な中継回線があることを示す.
 交換手段にわたる太線は,呼に対して接続されているパスを示す.
   【0056】
 図3は,交換手段(発呼端末収容交換手段)12aで切替を行う方法を採用する場合の状態遷移図である.
   【0057】
 初期状態では,(接続)状態0である.




図5 接続状態0

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


 発呼端末2から番号案内システム4に発呼が行われるとこの2者の間にパスが接続されて状態1となる.




図6 接続状態1

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


 被呼番号7が決まって番号案内システム4接続変更手段14接続変更要求13交換手段(発呼端末収容交換手段)12aに送信すると,交換手段(発呼端末収容交換手段)12aと番号案内システムの間のパス切断処理を行うので,状態2となる.
 このとき,発呼端末2を接続したまであることに特徴がある.




図7 接続状態2

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


 引き続き,交換手段(発呼端末収容交換手段)12aは,交換手段(発呼端末収容交換手段)12aから被呼予定端末11までのパスを接続して,いったん状態3になる.




図8 接続状態3

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


 さらに,ふたつのパスを交換手段(発呼端末収容交換手段)12aが接続してひとつにして状態4にする.




図9 接続状態4

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


 実現の方法によっては状態3を経ずに状態2から状態4にしてもよい.
 状態4で発呼端末もしくは被呼端末で切断すれば初期状態0に戻る.
 また,状態1で接続不要と決定したときと,状態2で被呼端末呼出に失敗したときにも,初期状態0に戻る.
 標準の遷移でないために図に表していないが,状態1,状態2,または,状態3で,発呼端末,被呼端末,あるいは,番号案内システムのいずれか接続されているものから,または,通信網から切断が行われたときも,初期状態0に戻る.

   【0058】
 次に,図4は,交換手段(番号案内システム収容交換手段)12cで切替を行う方法を採用する場合の状態遷移図である.
   【0059】
 なお,該交換手段(番号案内システム収容交換手段)12cを番号案内システム専用として同サイトに収容設置することもできる.
   【0060】
 初期状態では,状態0である.
 発呼端末2から番号案内システム4に発呼が行われるとこの2者の間にパスが接続されて状態1となる.
 被呼番号7が決まって番号案内システム4接続変更手段14接続変更要求13交換手段(番号案内システム収容交換手段)12cに送信すると,交換手段(番号案内システム収容交換手段)12c番号案内システム4の間のパス切断処理を行うので,状態5となる.
 このとき,発呼端末2を接続したまであることに特徴がある.




図10 接続状態5

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


 引き続き,交換手段(番号案内システム収容交換手段)12cは,交換手段(番号案内システム収容交換手段)12cから被呼予定端末11までのパスを接続して,いったん状態6になる.




図11 接続状態6

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


 さらに,ふたつのパスを交換手段(番号案内システム収容交換手段)12cが接続してひとつにして状態7にする.




図12 接続状態7

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)


 実現の方法によっては状態6を経ずに状態5から状態7にしてもよい.
 状態7で発呼端末もしくは被呼端末で切断すれば初期状態0に戻る.
 また,状態1で接続不要と決定したときと,状態5で被呼端末呼出に失敗したときにも,初期状態0に戻る.
 標準の遷移でないために図に表していないが,状態1,状態5,または,状態6で,発呼端末,被呼端末,あるいは,番号案内システムのいずれか接続されているものから,または,通信網から切断が行われたときも,初期状態0に戻る.
   【0061】
 両方の方法を比較する.
 状態遷移Bの方法は,状態遷移Aの方法に比べて,最終的に接続されるパスがより多くの交換手段と中継回線を経由する点では資源を多く使うため不利といえる.
 もっとも,状態遷移Bの方法であっても,状態7になったあと,パスの往復が通っている交換手段,たとえば交換手段(番号案内システム収容交換手段)12cを,交換手段(番号案内システム収容交換手段)12cから交換手段(分岐点)12bまで順にパスから除いていく処理を行って最終的に状態4にするような改良方法も可能である.
   【0062】
 状態と状態遷移は,上記と異なるさまざまな方法でも実現可能である.

   【0063】
 次に挙げるのは,発呼者に聞こえる送話受話の例である.
 この中で「発」は発呼者,「シ」とは番号案内システムの人間またはトーキまたは合成音声を示す:

 発: (オフフックして,ダイヤルで「1045」をプッシュする.)

 (発信音「ルルルル,ルルルル」)

 シ: はい,ご利用ありがとうございます.○○社,番号案内接続サービス,担当○○でございます.

 発: すみませんが,東京都千代田区の,株式会社○○商事に繋いでください.

 シ: 少々お待ちくださいませ……はい,東京都千代田区の株式会社○○商事ですね.

 発: そうです.

 シ: ではいま代表電話03−○○○○−○○○○にお繋ぎいたします.

 (発信音「ルルルル,ルルルル」)

 ○○商事: はい,○○商事でございます.

(通話後,オンフックにより切断).

   【0064】
 次に,図13は番号案内と接続のシーケンス図である.




図13 番号案内と接続のシーケンス図

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)
(これは2002.4.21補正後の図)


   【0065】
 図中,2は発呼端末1は通信網4は番号案内システム11は被呼予定端末である.
   【0066】
 (イ) 発呼端末2でオフフックされると,通信網1はこれを発呼として検出する.

 (ロ) 通信網1は,発呼端末2に「プー」という発信音を送る.

 (ハ) 発呼端末2番号案内システム4の番号をダイヤルする.該番号を受信した通信網1は発信音を停止する.そして,発呼端末2と該番号の相手先である番号案内システム4との間のパス接続処理を実行する.

 (ニ) 番号案内システム4が空き状態なら,通信網1は該回線に呼出信号を送って番号案内システム4の端末にあたる案内受付手段6を呼出し,同時に,発呼端末2に「ルルルル,ルルルル」という呼出音を送る.(なお,空き状態でなければ,発呼端末2に「プー,プー」という話中音を送り,オンフックするように促す).

 (ホ) 番号案内システム4案内受付手段6が,人間であれ自動回路であれ,回線をオフフックすると,応答信号が通信網1に伝えられる.通信網1番号案内システム4への呼出信号を停止し,かつ,発呼端末2への呼出音を停止し,応答信号を送って,通話状態にする.

 (ヘ) 発呼端末2から合せの情報を送る.受信した案内受付手段6が問合せの情報を被呼番号決定手段8に渡し,被呼番号決定手段8が被呼番号を調べる.

 (ト) もしシステムが被呼番号通知手段9を具備しているなら,該被呼番号7発呼端末2に送る.発呼者が納得する被呼番号を得るため,あるいは,多過ぎる被呼番号を絞り込むために,問合せから被呼番号通知までが繰り返されることもある.

 (チ) もしシステムが接続希望確認手段10を具備していて,かつ,発呼端末2にここで問い合わせる必要があるときは,発呼端末2に接続希望確認の音声あるいは文字情報などを送ったあと,発呼端末2からの応答を入力し,接続希望があるどうか確認する.

 (リ) もし接続希望がないのでなければ,番号案内システム4通信網1交換手段12に,被呼予定端末11の番号を伴う接続変更要求13を送る.
 (もし接続希望がないのであれば,回線を切断する.すなわち,番号案内システム4から通信網1に終話信号が送られ,通信網1は時間監視をはじめるとともに,発呼端末2に話中音を送る.発呼端末2もオンフックすると切断信号が通信網1に送られ,通信網1はパス切断処理を行う.なお,オンフックにならなくても2〜4秒の時間監視がタイムアウトになると通信網1はパス強制切断処理を行う).

 (ヌ) 通信網1交換手段12は,通信網1番号案内システム4の間のパスを切断する.

 (ル) ひきつづき,通信網1交換手段12は,該交換手段12から被呼予定端末11までのパスの接続処理を実行する.

 (ヲ) もし被呼予定端末11(以後のシーケンスでは,被呼された後なので「予定」を除いて単に「被呼端末」と呼ぶ)が空き状態なら,通信網1交換手段12は該回線に呼出信号を送って呼出し,同時に,発呼端末2に「ルルルル,ルルルル」といった呼出音を送る.
 被呼端末では,「プルルル,プルルル」といった着信音や着信メロディ,着信ボイスなどが鳴り,あるいは文字や光やデータで着信が通知される.

 (ワ) 被呼者が被呼端末をオフフックすると,応答信号が通信網1に伝えられる.通信網1は被呼端末への呼出信号を停止し,かつ,発呼端末2への呼出音を停止し,応答信号を送って,通話状態にする.(なお,被呼端末が空き状態でなければ,発呼端末2に「プー,プー」という話中音を送り,オンフックするように促す.この場合,発呼者が被呼番号を忘れてしまうことを防ぐように,交換手段12から,または,繋ぎなおして再度番号案内システム4被呼番号通知手段9から,トーキまたは合成音声で,該被呼番号7発呼端末2に通知しなおしてもよい).

 (カ) 発呼端末2と被呼端末が通話を行う.

 (ヨ) 通話が終了して,もし先に被呼端末がオンフックになると,被呼端末から通信網1に終話信号が送られ,通信網1は時間監視をはじめるとともに,発呼端末2に話中音を送る.発呼端末2もオンフックになると切断信号が通信網1に送られ,通信網1はパス切断処理を完了する.なお,オンフックしなくても2〜4秒の時間監視がタイムアウトになると通信網1はパス強制切断処理を行う.
 一方,(以下のシーケンスは図にないが,)もし先に発呼端末2がオンフックになると,切断信号が通信網1に送られ,通信網1はパス切断処理を行い,被呼端末に話中音を送る.なお,被呼端末がオンフックにならないで時間監視がタイムアウトになると,通信網1は電力供給を停止してオンフックを定期的に監視する.

   【0067】
 このように,番号案内に引き続き,発呼端末を切断せずに,自動的に被呼予定端末と接続することが可能になる.
(電話交換の技術参考資料:
「東日本電信電話株式会社(http://www.ntt-east.co.jp/):技術参考資料>電話サービスのインターフェース>技術参考資料第5版.PDF(日本語)」
http://www.ntt-east.co.jp/gisanshi/analog/edit5j.pdf 特に,3.4節,4.5節.).

   【0068】
 日本電信電話株式会社のボイスワープ(登録商標)は,かかってきた電話の発呼元を転送先に接続することを,かかってきた電話から電話網への信号で行っている.こうしたインタフェースを応用し,

「何々サービスの担当の方に繋いでください」

と依頼された企業の交換台が,本発明の番号案内サービスと同一の処理を行い,転送先番号を指定して接続のしなおしを電話会社の交換機に送信することにより,依頼者の電話を切ることなく,発呼者を異なる番号の関係会社の交換台,関係会社のダイヤルイン電話などに再接続してあげることができる.「たらい回し」の印象を与えることを少なくでき,サービスの向上になる.
 さらに,企業の交換台でなく,ダイヤルイン電話の受話をした電話機や,一般家庭,商店の電話でも,かかってきた電話について,適当な外部の接続先を探して接続しなおしを電話網に依頼することが可能となる.
 これらのサイトは,文字どおり「番号案内サービス」をしているサイトではないが,本発明の技術を適用するサイトといえる.
   【0069】
 IP電話,インターネット電話といった新しい形態の電話が普及し,個人名,地域,サービス名などから番号あるいはアドレスを検索する必要性が増えても,番号案内システムが接続までしてくれることで利用者の手間が省ける.

   【0070】
 上の実施例では,オプショナルに具備する被呼番号通知手段9被呼番号7を発呼者に音声および/またはデータで送信するとした.この被呼番号通知手段9番号案内システム4で具備しない代わりに,接続変更要求13を送られた交換手段12が被呼番号通知を実行するという実施例も可能である.
   【0071】
 上の実施例では,オプショナルに具備する接続希望確認手段10が,発呼者が被呼予定端末との接続を「希望する」という情報または「希望しない」という情報を判断するとした.この接続希望確認手段10番号案内システム4で具備しない代わりに,接続変更要求13を送られた交換手段12を含む通信網1が接続番号確認を実行するという実施例も可能である.
   【0072】
 以上,請求項1の実施形態を説明した.


   【0073】
 以下に,請求項2の実施形態を説明する.
   【0074】
 本発明は,請求項1記載の番号案内システムに対応した方法である.したがって,請求項1の実施形態も参考となる.
   【0075】
 図2請求項2を適用した番号案内方法の実施例構成図である.









図2 番号案内方法の実施例構成図

(クリックすると図が別ウィンドウで表示されます)
(これは2002.4.21補正後の図)


   【0076】
 発呼端末2から到着する案内要求呼5を受け付ける案内受付ステップ15が,受け付けた案内要求に関して発呼者からの問合せ情報を得る.
   【0077】
 被呼番号決定ステップ16が,該問合せ情報をもとに被呼番号を決定する.
   【0078】
 被呼番号通知ステップ17がオプションとしてあってもよく,ある場合は,発呼端末2に,被呼番号7を出力する.
   【0079】
 接続希望確認ステップ18がオプションとしてあってもよく,被呼端末に接続するかどうかを判定する.たとえば,発呼端末2に問い合わせて,受信した応答で判定する.
   【0080】
 接続変更ステップ19が,該被呼番号を伴う接続変更要求13交換手段12に送信する.

   【0081】
 上記各ステップは,基本的には上から下に実行されるが,被呼端末と何度も対話しながら被呼番号を絞り込むときなどに,ステップの実行順序や実行回数を変えてもよい.
   【0082】
 以上,請求項2の実施形態を説明した.


   【0083】
 以下に,請求項3の実施形態を説明する.
   【0084】
 請求項2で記載した番号案内方法を,番号案内システム4の処理装置に実行させる処理もしくは処理に付随するデータを記述した番号案内プログラムを:

 (イ) あらかじめ機械読み取り可能な媒体,すなわち,光磁気ディスク(MO),デジタルビデオディスク(DVD),読み取り専用コンパクトディスク(CD−ROM),ハードディスク,半導体ディスク(SSD),フラッシュメモリ,フレキシブルディスク,読み取り専用メモリ(ROM),磁気テープ(MT),カートリッジテープ,ホログラムメモリ,その他機械読み取り可能な媒体,に格納しておいて;

 (ロ) 入力装置で該記録媒体から該プログラムを読み取り;

 (ハ) 該プログラムを,番号案内システム4もしくは番号案内システム4に接続された記録装置に直接ロードして;
 あるいは,該プログラムを,番号案内システム4もしくは番号案内システム4に接続された記録装置になんらかの通信網経由で受信して;

 (ニ) 該プログラムを番号案内システム4によって実行する;

ことができる.
 この効果として,プログラム提供者がMO,DVD,CD−ROM,ハードディスク,その他の媒体に記録したプログラムを,プログラム利用者が,該媒体の入力装置を使って直接ロードすることによって,あるいは該媒体の入力装置をもったコンピュータからネットワークを介して受信することによって,利用することができ,ソフトウェア流通環境が整う.
   【0085】
 以上,請求項3の実施形態を説明した.


   【0086】

  【発明の効果】
 以上説明したように本発明によれば,番号の調査のあと,発呼端末を被呼予定端末に自動的に,したがって確実かつ短時間に接続することができる.
   【0087】
 利用者は番号案内システムを導入したサービスサイトに,

「どこどこに繋いでください」

と依頼できる.
 そのため,たとえば電話網の番号案内サービスであっても,利用者にはあたかも全国あるいは全世界の電話の交換台であるかのように見え,非常に便利になる.
   【0088】
 番号案内サービスの利便性が格段に高まって人気が出ることにより,有料の番号案内サービスというビジネスも格段に発展することが期待される.


【図面の簡単な説明】
  【図1】
 本発明
請求項1の実施例構成図である.
  【図2】
 本発明
請求項2の実施例構成図である.
  【図3】
 状態遷移図Aである.
  【図4】
 状態遷移図Bである.
  【図5】
 接続状態0である.
  【図6】
 接続状態1である.
  【図7】
 接続状態2である.
  【図8】
 接続状態3である.
  【図9】
 接続状態4である.
  【図10】
 接続状態5である.
  【図11】
 接続状態6である.
  【図12】
 接続状態7である.
  【図13】
 番号案内と接続のシーケンス図である.

  
【符号の説明】
   1    通信網
   2    発呼端末
   3    データベース
   4    番号案内システム
   5    案内要求呼
   6    案内受付手段
   7    被呼番号
   8    被呼番号決定手段
   9    被呼番号通知手段
  10    接続希望確認手段
  11    被呼予定端末
  12    交換手段
  12a   交換手段(発呼端末収容交換手段)
  12b   交換手段(分岐点)
  12c   交換手段(番号案内システム収容交換手段)
  12d   交換手段(中間)
  12e   交換手段(被呼端末収容交換手段)
  13    接続変更要求
  14    接続変更手段
  15    案内受付ステップ
  16    被呼番号決定ステップ
  17    被呼番号通知ステップ
  18    接続希望確認ステップ
  19    接続変更ステップ

【書類名】     図面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13

【書類名】     要約書
【要約】

【課題】
 電話番号や端末アドレスなどの番号の,自動または手動案内のあと,発呼端末を,案内された被呼予定端末に確実かつ短時間に接続する番号案内システムと番号案内方法を提供する.

【解決手段】
 番号案内システムに:
 発呼端末2から案内要求を受け付ける案内受付手段6と;
 問合せ情報に基づいて被呼番号7を決める被呼番号決定手段8と;
 被呼番号7発呼端末2に送信する被呼番号通知手段9(オプション)と;
 発呼者が接続を希望するか否か判断する接続希望確認手段10(オプション)と;
 「該発呼端末2を該案内受付手段6から切断して,該発呼端末2を該被呼予定端末11と接続するように」と交換手段12接続変更要求13を送信する接続変更手段14とを;
 具備する.

【選択図】    図1
 上の文書は,特許庁に出願した特許願書をもとに掲載するものです.
 特願2003-110615 「接続機能付き番号案内方法および番号案内システム」(発明者=園部正幸)(+自発補正2003.4.21)と基本的に同じものですが,上の文書はそれをダウンロードしたものではありません.
 内容の誤記は変更しないで掲載します.補正予定または補正済みの部分は注記します.
 読みやすさを考慮して,文字フォント,文字色,改行,空行,画像位置,画像縮尺,画像キャプション,ジャンプと画像ウィンドウ用のリンク,目次,書誌の非公開情報など,一部変えています.
 金色の部分は読みやすさのため付加した部分です.
 正確なものは特許庁から特許公開後ご高覧ください.
 貴社(貴所)内での配布・回覧を除き,本バージョンの無断転載・無断配布をお断りいたします.


 ビジネス・研究のお問合せは園部研までどうぞ.


 
- Copyright © sonobelab.com, Masayuki Sonobe 2003-2024.
- 最終更新日 5620日前: 2009. 7. 2 Thu 19:19
- 本ページのアクセス数(2003.04.16〜) 00,014,192
- 園部研 のアクセス数(2002.07.01〜) 05,295,810