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・覚えておられますか,5月23日の写真で,花4号の咲こうとする脇に,かわいらしい花6号の蕾(写真手前)と花7号の蕾(奥)が並んでいたのを.
今回はこの「ふたり」が主役です:
・6月3日午前10時 十分に伸びた蕾です.
細く波うっているのは、前に咲いた花1号のめしべです.このあとの写真でも「脇役」で登場します.
花6号の蕾と花7号の蕾の成長は,何日か「お姉ちゃん」の花6号の方が早かったように感じていました.でももう,「妹」の花7号が追い付いて肩を並べていますね.
・翌日6月4日朝9時 見ると花6号の蕾がが柔らかく波うってきています.
おお,これなら今夜か明日の朝咲くでしょう.前回の花4号と花5号の経験からいって,何かそういう予感がします.
今まで開花を見られなかったので,花6号と最後の花7号に期待したいところです.
でも,台風5号が近付いていて,陽射しはありません.
・19:44 花6号の蕾はどんどん柔らかくなってねじれてきました.
見ていると,一部がスッと開きました.
この直前の花6号は,ここに見える花7号の蕾くらいほぐれていました.
見ている前で開花のドラマがはじまったのです.わくわく.
準備中から商い中になろうとするお店のようです.
・19:46 花6号がどんどん膨らんで開いてきています.
中には,白くて先が黄色いおしべがぎっしり詰まっています.
花7号にも隙間が見えてきました.
この薄緑色の蕾の外皮は,実は花びら(花弁)というのですから,パキラは変わっていますね.そう聞いた今でも花びらという実感はありません.
・19:47 花6号のおしべの顔がのぞいています.これから飛び出す外の世界をうかがっているようです.
・19:48 花6号のおしべは,かなりバラけてきています.
・19:49 花6号のおしべが1本外にでてきました.続いてもう1本.
かわいい.
・19:51 上から見るとこんな感じ.花6号の3枚の花弁がまだ先端でなんとか手をつないでいます.
・19:54 花6号のおしべは,数秒ごとにまた一本また一本と出てきます.小人の行列.
・19:55 花7号の方も,黄色いおしべが顔を出してきました.
花6号は赤ちゃんのゆりかご.
・19:56 花6号から出てきたおしべは15本以上です.
この調子で全部が出てくるのでしょうか?
・19:58 ずいぶんにぎやかになってきました.
・19:58 花6号の何十本ものおしべが,もう連続的に出てきています.
耳をよく澄ましてみます.
「サラ……サラ……」と音が聞こえているではないですか.
花7号もおしべが次々に飛び出してきはじめました.開花のドラマが同時進行中!
・20:03 「パシッ!」
「あっ」
花弁の1枚がほかの2枚の先端から自分の先端をはずして,くるりと丸まったのでした.
開花にはこういう瞬間ってあるんですね.
一気に小人達が自由になってわいわい騒いでいる感じ.
・20:03 まだ2枚の花弁がつながっているものの,パキラの花っぽくなりましたね.
花7号のおしべもどんどん出てきます.
・20:03 「パシッ!」.1分もしないうちに残りの2枚の花弁の先端が離れて,それらがくるりと丸まりました.
花弁は3枚なのですが,最後の2枚は同時に丸まるので,「パシッ」は2回しか聞けないんですね.
パキラの花の完成! おめでとう〜.
一段と長いめしべが真ん中にまっすぐ出ています.
・20:04 花6号は咲いて一段落ですが,花7号はまだ頑張っています…….
・20:05 パキラの咲いたばかりの花のおしべは,かなり白くて美しい.
これが,時間とともに,黄色くなり茶色くなっていくわけです.
・20:06 反対側から近寄ってみましょう.
・20:08 花7号の花弁が1枚むけました.
こっちもたくさんのおしべが,外界に飛び出しました.
・20:11 あとの2枚の花弁が,先端がくっついたまま「引っ張りっこ」をしていますね.
・20:12 そして数十秒後にはこの2枚がパシッと離れて丸まり,花7号も開花完了!
花6号より約10分あとに咲いたことになります.
同じ木の花どおし,咲く時間もほぼ同時になるように木が指令を出しているのでしょうか?
この舞台の陰で,蛋白質群による精密な情報処理が次々と同時開花の過程を指示しているのではないかと思いました.
・20:13 花6号と花7号二輪揃った花をすぐに撮影しました.
・20:13 夜空に向かってパキラがふたつの美しい笑顔を振りまいています.
・20:18 背景を紺色にしてしっかりフラッシュで撮影したパキラの花です.
・翌朝10時半にふと見ると,花6号と花7号のおしべセットと花弁が,両方ともソファーの上に落ちていました.本当に仲がいいですね.
室内で虫もきてくれませんから,パキラは寂しいかな.
あとで花6号と花7号の間で人工受精をしましたが,花のあとは,残念ながら実がつく前にぽろっと落ちてしまいました.
花1,2,4,6,7号がついた枝は,このパキラの最先端でした.大きな葉がつかなくなって全部取れたあとに,花が次々に咲きました.花が終わったら何も残りませんでした.
「花が咲くのは木が危機に瀕して子孫を残そうとするあらわれである」
という説を聞いていました.ですから,まさかこれがこの木の最期ではないだろうな……と心配していました.
すると,6月12日,かわいい葉が出てきましたのでほっと安心しました.枝先を掌に載せたところです.
・七つの花が咲くなんて,今年のパキラはすごかった.
七人に七つの幸せが来るということと信じています.
* パキラの花の情報と花や実の写真:
■ パキラの花 (アリュ〜さん)(旧,ねこにつぼ)
■ 44.ギアナクリと呼ばれる「パキラ」(日本新薬さん)
■ 五月の花「パキラ」(日本新薬さん)
■ パキラのQ&A(京阪園芸さん)
■ Dr. Touhei 樹医のカルテ…パキラのQ&Aが一杯(rinmodanさん)
■ パキラの花(BBS)(小山園芸さん)