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「ウイルスバスター2008」10月に発売、Web経由の脅威防ぐ新技術を搭載


 トレンドマイクロは、セキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター2008」を10月26日に発売する。機密情報や金銭の不正な取得を目的としたWebサイト経由の脅威を防ぐため、従来のウイルス定義ファイルに加え、Webサイトの安全度を判定する「Webレピュテーション技術」や、疑わしいプログラムによりシステム領域が変更されるのを防ぐ「不正変更の監視機能」を新たに搭載したことが特徴。

 対応OSはWindows Vista/XPで、1シリアルで3台のPCまでインストール可能。価格はオープンプライスだが、同社サイトでの販売価格は、サポート期間が1年間の「ウイルスバスター2008 1年版」のパッケージ版が5,980円、ダウンロード版が4,980円。サポート期間が3年間の「ウイルスバスター2008 3年版」のパッケージ版が12,800円、ダウンロード版が11,800円。1年間の更新が可能な「ウイルスバスター2008 更新パック」は4,725円。なお、ダウンロード版は10月19日より同社サイトで先行販売する。


サーバー登録年月日やIPアドレスから怪しいサイトを検出

Webからの脅威とは
 Webレピュテーション技術は、サーバーの登録年月日や安定性などを基準にしたレピュテーション(評価情報)により、Webサイトへのアクセスの安全性を提示。具体的には、サーバーの登録年月日が新しいものや、IPアドレスが頻繁に変更されるWebサイトなどを危険と判断し、これらのWebサイトへのアクセスを遮断する。Webサイトのコンテンツ内容から危険度を判断するURLフィルタリングと異なり、一見問題なく見える危険なWebサイトも検知できることが特徴だ。

 同技術は、フィッシング詐欺対策機能のほか、危険なサイトへのアクセスを制限するWebブラウザプラグイン「Trend プロテクト」などに搭載される。ユーザーは、Webサイトを閲覧するごとに、Webレピュテーションのサーバーに記録されている評価基準を参照することになる。これにより、危険なサイトにアクセスして、悪意のあるプログラムをダウンロードしてしまうことを防止できるという。

 なお、サイトの評価基準となる情報は、常時クローリングして収集し、「危険なWebサイトが登場してから最短30分」(トレンドマイクロ)で、Webレピュテーションのサーバーに反映される。さらに、日本国内におけるセキュリティ脅威に対応するための研究施設「リージョナルトレンドラボ」と連動することで、国内で発生した脅威にも迅速に対応できるとしている。


「Trend プロテクト」で怪しいサイトを検出できる 検索結果画面でも怪しいサイトを検出できる

不正プログラムによるシステム領域の変更をブロック

トレンドマイクロ コンシューマ統轄本部 統括本部長 バイスプレジデントの沢昭彦氏

「不正変更の監視機能」の概念
 また、不正変更の監視機能は、「ウイルスバスター2007」に搭載されていた「不審ソフトウェア警戒システム」を強化したもので、疑わしいプログラムによりシステム領域が改変される前に検出する。ウイルスバスター2007でも不正プログラムの挙動を監視する機能は搭載されていたが、システム領域が変更された後に告知する「後追い」の機能だった。

 一方ウイルスバスター2008では、不明なアプリケーションが実行されると、「除外リスト」「ポリシー」「ホワイトリスト」などの基準を参照し、不正もしくは安全な変更であるかどうかについて、実際に変更される前に判定できるようになったことが特徴だ。また、ホワイトリストなどとの照合により、ポップアップによる警告メッセージの出現率が低減したという。

 同社コンシューマ統轄本部 統括本部長 バイスプレジデントの沢昭彦氏は、危険なWebサイトの特徴として、記載されているコンテンツ内容は一見まともに見えるが、実際には悪意のあるプログラムが組み込まれているWebサイトも多いと指摘する。2007年6月には、イタリアで国内の市議会、就職支援サービスセンター、観光サイトなど1,000以上のサイトが改竄され、ユーザーがこれらのサイトを閲覧しただけでウイルスに感染した例もあることから、「怪しいサイトに行かなければ大丈夫」という考えは危険であると注意を促した。

 「ウイルスバスター2008では、従来のパターンファイルによる対策に加え、新たなアプローチ方法である『Webレピュテーション技術』『不正変更の監視機能』を組み合わせる『3段階プロテクション』を実現した。これらにより、Webを感染経路とする脅威に対抗し、より安全にインターネットを利用できるようになる。」

 このほか、ウイルス対策エンジン、スパイウェア対策エンジンおよびrootkit対策ドライバを統合することにより、ウイルスバスター2007と比べて、PC内全検索時間を約20%短縮。さらに、メモリ使用量を約50%削減することにより、軽快な動作が可能になったとしている。

 なお、トレンドマイクロでは、9月11日から10月31日まで、「今買っても安心&お得キャンペーン」を展開。キャンペーン期間中にウイルスバスター2007を購入したユーザーの中から抽選で2008人に、ウイルスバスター会員契約期間(サポート期間)を1年間プレゼントする。これにより、ウイルスバスター2007から2008へのアップデートが可能となる。


不正変更の監視機能の設定画面 従来のパターンファイルによる対策に加え、「Webレピュテーション技術」「不正変更の監視機能」を組み合わせる「3段階プロテクション」を実現

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://jp.trendmicro.com/jp/about/news/pr/article/20070910111530.html

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( 増田 覚 )
2007/09/11 17:40

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